【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第2章 burn
そうこうしている間に配膳も終わり、信長様も座についた。
いつも通り、楽しく和やかな夕餉の時間。
今日一日の報告なんかが皆の間で始まったのを聞きながら、ついつい惚けてしまう。
考える内容なんて、勿論彼の事に他ならない――
そんな事をしている間に、箸で持っていた小芋の煮っころがしがころころと転げ落ちた。
「わわっ、ごめんなさいっ…!」
「不作法だな、千花」
そう言いながら、意地悪な笑みを浮かべ。
向かいに座っていた光秀さんが、目の前に転がってきた芋をぱくり、と食べた。
「あーっ!私の小芋っっっ!!」
「いつも食い意地が張っているお前が、珍しい事もある物だな…随分と物思いに耽っている様だが、どうした?
誰ぞと、恋仲にでもなったか」
誰と会っていたか、唯一知っている癖に。
そもそもは光秀さんが書状を私に託した事が、全ての始まりだったのだ――
意地悪な物言いに、引いたはずの熱がまた集まってくる。
「そ、そんな相手はまだいません!」
「「「まだ!!?」」」
「え!?い、今のは言葉のあやと言うやつです…!!」
聞き耳を立てて居たのか、その場の皆が反応し、驚きながら大声で答える。
くるり、と皆を見渡して見ると、心配そうな目や、楽しげな目がこちらを覗いている――
上座にいる、信長様まで!
いたたまれなくなって、縮こまっていると。
秀吉さんと反対隣に座っていた、三成くんが心配そうに声をかけてくれる。