夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第4章 wish
「俺だから?」
「そうニノだから…俺はずっとリーダーの智くんを支えながら嵐を成長させようと頑張ってきた…そういった意味では智くんの隣に立つことは多いよ?でもさ、ニノも言ってたけどあの人の才能すごいでしょ?隣に立つの結構プレッシャーなんだよ」
翔さんが苦笑いした。
「翔さんだって才能あるじゃん」
翔さんが首を横に振った。
「俺はあの人に付いていくために努力してた。嵐での俺の立場ってさ年長組で皆のお兄さん的存在だったでしょ?しっかりしなくちゃって自然になってた…始めの頃は相葉くんも松潤も甘えて来てたし…でも、ニノだけは違くて、同志というか対等な立場でいたから…だからニノの前では素の自分でいられた」
確かにそうだった…デビューの話が出たときもふたりで話し合ったし、デビューしてからも今後の嵐について良く話し合ってたな。
「俺、そこまで考えてなかったけど、よく翔さんと話し合うことあったでしょ?自分の意見言うならそれなりの事してからだと思ってたからさ、翔さんに頼ったり甘えたりってしたくなかった。
翔さんとの話って核になるものがしっかりあったから勉強になる事も多いし、考え方にも共感できる所が多くて…それで段々引かれていったんだ『櫻井翔』って人に」
翔さんに向かって微笑み掛けると翔さんの頬がうっすらとピンクに染まった。
「引かれていって、気がついたら特別な人になってた」
翔さんの頬に手を添えた。
「ニノ…」
「これからも素の『櫻井翔』を見せるのは俺だけにして…」
「うん…」
綺麗に微笑む翔さんに顔を近付けていくと翔さんの瞼が閉じられていく…そのまま翔さんの唇に自分の唇を重ねた。