第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
なるべく目を合わせないように、やり過ごそうとする。
それなのに、マインから話しかけてきたのだ。
『どこ行くの?』
『宿舎に忘れ物』
会話はこれで終わりだ。そう思っていたところに―――。
『あ、私はね、リアリンマートに買い物に行ってきたとこで………』
そうやって、聞かれてもいない言い訳を始めたのだ。
焦っていることを悟られないよう必死な様子が伝わってくる。男子宿舎から出てきたことをなんとかごまかしたいのだろう。
面白い―――。
つい、イタズラ心が湧いてきた。
すれ違ったばかりの足を止めて、向き直る。
あっと短く声を上げ、目を見開いているマイン。
『リアリンマートに行ってきたんだ?それで?何買ったの?』
意地悪く質問してやる。
『えっと』
眉尻が下がり、目が泳ぎだす。自分で言い出しておいて失敗したと思ってるようだ。
慌てて片手をスカートのポケットに突っ込み、うっ、と小さく呟いている。そして今度は、胸ポケットに差しているボールペンを手にして顔をしかめる。
からかい甲斐のあるヤツ―――。
と、慌てふためいた表情に、急に不安な色が浮かんでいく。
脅迫でもされるんじゃないかと思ってるのか?
ちょっと度が過ぎたかも。