第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
リリカ―――。
正真正銘、本物のリリカだ。
目の前の彼女は、ずっと想いを寄せていたリリカその人だった。
いや、それ以上だ。
眩しくて、直視できないほどに―――。
「リリカっぽいと言えば言えなくもない」
つい、そう口にしていた。正直に認めるのが、怖かったのだ。
「っぽい、じゃなくて、リリカだよ、リリカ本人!」
俺の反応が不服なのか、ぷうっと頬を膨らませている。それはそれで、かわいい。
「いや、しかし………やはり何かが違う。クリンクリンの巻き毛に茶髪で、ピンク入ってましたよね。目がパッチリで、まつ毛も驚くほど長かった」
言っても仕方のない、見た目の違いを羅列する。そうでもしないと理性を保っていられなくなりそうだったから。
「そりゃね、カラーリング、エクステ、ヘアアイロンにメイク。毎日時間かけて別人になりきってたからね」
カラーリング………エクス、何?聞き慣れない言葉が続き、問い返そうかと思ったが、やめておいた。女子のオシャレ事情など、きっと俺には理解できない。だが、今のこの姿から察するに、リリカになりきるには相当の苦労と時間を費やしているのだろうことは、容易に想像できた。