• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編




~初めて~





「いいよ、着てあげる」


「では、お願いします」



メイド服を着て欲しいと頼むと、リリカはすぐに承諾してくれた。

ダメ元で頼んだつもりだったので、まったくの想定外で心の準備ができていない。とりあえずリリカから少しでも距離を置こうとベッドに座る。

期待で高ぶる気持ちが、どうにもならない。落ち着かなくてはと思い、正座をしてみる。

落ち着け、俺。落ち着け、俺―――。

呪文のように心の中で、そう唱え続けていた。背中越しに衣擦れの音。俺のすぐ後ろでリリカが着替えているのだ。


―――パサリッ。


これは、服が床に落ちる音だ。

下着姿のリリカを頭の中に思い浮かべる。モヤモヤとした想像の域でしかないその姿が、振り返れば目にすることができる―――。

な………っ、何を考えているのだ。冷静になれ。

着替え終えるのを待つのが常識だろう。絶対に振り返るなよ、俺―――!



「どお?」


やがて、控えめな、か細い声が聞こえてきた。

長いようで短い、苦しみの時間が終わり、ほっと息をつく。

両の拳と膝を軸に、そのままグルリと身体を回転させて、リリカと向き合った。

けれど、その瞬間、俺の葛藤は今まさに始まったばかりだということを悟った。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp