第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
「きゃっ」
バランスが崩れ、慌てて戻そうとするけれど、そんな努力も虚しく、目の前のアルバートに覆いかぶさる形で、倒れ込んでしまった………。
ドサリッ。
私を受け止めようと両手を広げていたアルバートを巻き込みながら、ベッドに沈む。
「支えられずにすみません。正座していたせいで、その………」
頭の上から声がする。
アルバートの吐息がかかり、その度に髪が揺れるのを感じる。
硬くて広いアルバートの胸。ドキドキと速すぎる鼓動が、どちらのものか区別がつかない―――。
「わ、私こそゴメン。大丈夫?」
起きあがろうと顔を上げると、すぐそこにある瞳と視線が絡み合う。
と。
不意に。
唇に触れる吐息。そして、温かいぬくもり―――。
「え、え、わ………っ!」
突然のことに我を忘れて、慌てて飛び起き、唇に手をあてる。
えっと。今のって………キス?されたよね?
何がなんだかわからない。それ以上動けなくて、呆然とその場に座ったままになる。
メガネを直しながらアルバートも起き上がる。