第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
食事を終えて食器を片付けていると、入口付近にレオ、アラン、ユーリがいるのが見える。それに、三人の前に立ち塞がるようにアルバートが立っている。
アルバートの腕には腕章がついていて………風紀委員?
あ、その後に『長』がついてる。
風紀委員長なんだあ。
「レオ=クロフォード、ネクタイが緩んでいるぞ。服装の乱れは心の乱れ。気を引き締めろ」
「あ~、これはさ、これくらいのラフさがカッコイイんだよね」
「な………っ、そんなだらしのないネクタイを見て誰がカッコイイと思うんだ?理解しがたい」
余裕でウィンクをするレオに、メガネを人差し指と中指でクッと押し上げながら、深いため息をついているアルバート。
「昼休みまで風紀取締りか。お前、ほんと真面目だな」
「これが俺の仕事だ。皮肉に聞こえなくもないが………しかし、アラン=クロフォード、その言葉は褒め言葉として受け取っておこう」
「それはどーも」
苦笑するアランから今度はユーリに視線が移り………。
「ユーリ、貴様の笑顔は校則違反に値する」
「え~?それって褒めてる?」
「………なっ、なぜお前は、そうなんでも自分に都合よく解釈できるんだ?どうしようもない楽観主義だな」
「アルと違ってポジティブだからね」
屈託ない笑顔のユーリと、苦々しい表情のアルバート。