第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
職員室に戻ると、数人の先生達の中に黒崎もいる。鍵係になってから、職員室にいる率が高いんだよね。
というか、専科の先生達も準備室にいられないから、職員室で過ごさざるを得ない。必然的に、ここの人口密度は高くなるよね。
チラリと黒崎を見やる。
ノートパソコンを広げてキーボードを叩いている。
ん………?
何、あれ。
黒崎の手元を凝視してしまう。
人差し指一本で、ポツポツとキーを押してるよっ!
今どき、タイピングもできないんだ?あんな人、初めて見たよ。
懸命になって、何をやってるんだろう?
あっ、もしかして!あのパソコンの中に不正の証拠が入ってるかも!?
でも、ちょっと可能性薄いかな。
だって、どう見ても使いこなしてる感じじゃないもんね。
あの様子じゃ、手帳に書くタイプかな。
でも、メールが来てるかも?
そういえば、アーサーが、リアリン学園長の不正は、規模が大きいから、一人の独断で、できることじゃないって言ってたっけ。
違う所に仲間がいるのかも。そのやり取りにメールを使っているのかもしれない。
今まさに、そのやり取りをしているのかも!?
なんて、都合のいい解釈しても始まらない。
普通に考えると、大抵の用は、スマホで済ますよね?
パソコン、手帳、スマホ。
………どれを取っても調べようがないよ!
私ができるコトといったら、せいぜい机の中をガサゴソやるくらい。