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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~




その姿をはっきりとシドと認識すると、急いで駆け寄って行く。

かろうじて壁に背を預けて座ってはいるものの、頭はグッタリと垂れ下がっている。



「シド、どうしたの、大丈っ………怪我してるの!?」



近づいて、初めて気づいた。

上着の奥から覗くシャツが、濃い赤に染まっている。

かなりの出血量だ。

カクカクと震えている自分に気づく。



「どうして………どこ、怪我してるの」



シドの顔を下から覗き込む。

うっすらと目を開けるシド。



「マイン、か」


掠れる声で、小さく私の名前を呟いた。


「………っ、き、救急車………今、救急車呼ぶね」


スマホを取り出そうとすると、グッと手首を掴まれた。



「病院は行かねえ」


「は?何言ってんのよ?ワルだから?病院は、マズイってコト?」


「………そういうコトだ」


「何バカ言ってんのよ!」


私は構わず番号を押そうとする。

すると、シドは、片手を地面について立ち上がろうとした―――。



ドサッ!



体勢を崩したシドと支えようとした私は、同時にその場にもつれるように倒れ込んでしまった。



「シドッ」


覆いかぶさっているシドを見上げると、その目は固く閉ざされている。


「え、ちょっと、シド、目を開けて」


気が動転しそうだったけれど、まつ毛がかすかに動いているのを見て、死んではいないと確証できた。







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