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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




そんな時―――。



背後に、人影を感じる。

そして、その人は、私のすぐ横に立った。



「結衣、遅………」

私は、ほっとしながら、そう言いかけて………。

顔が固まる。

え?

………っ、誰?

立っていたのは、知らない男の人だった。



「一人?君みたいなカワイイコ待たせるなんて、ヒドイ彼氏だね」



「あ、いえ、彼氏と待ち合わせでは、ないです」

カワイイコ、でもないけど、そこは否定しないでおこう。



―――私、何で知らない男の人と会話しちゃってんの?

無視すれば、よかった!

後悔した時には、すでに遅かった。

その人は、私が答えたのに気を良くしたのか、勝手に隣りに座ってしまう。



「彼氏待ってるんじゃないんだ?じゃ、俺と飲まない?」



「え?ええと………」

私は、どうやって断っていいのか戸惑う。

これが、ナンパってのかな………。

どうしよう。

なんだか、微妙に距離が近いような………。

ヤバイ。

どうにかしないとっ!

一人でヤキモキしていると、突然、肩に手を置かれる。

あ、今度こそ、結衣が来た?

振り向こうとすると………。

後ろからエキゾチックな香りとともに、抱きしめられて―――。



………えっ、ちょっと!?



「待たせたな」



耳元で声を掛けられたのと同時に、その腕をとっさに振りほどこうとして。

ハッとして、なんとかこらえる。



「で?俺の奥さんに、なんか用か?」

私の肩ごしから、ナンパ男に対して鋭い口調。



………お、奥さんっ、て………。



ナンパ男は、ガタリッと席を立ち、なにかブツブツと言いながら、足早に店を出て行った。



と、抱きすくめられていた腕は、すぐにほどかれた。

同時に、彼独特の香水の香りも離れていく―――。



「大丈夫か?」



私は、向き直り頭を下げる。



「あ、はい。あの、ありがとうございました」

困っていた私を『奥さん』として助けてくれたのだと理解して、お礼を言う。

顔を上げると。

思っていたよりも、ずっと長身で。

センスのいいスーツに身を包み、ハットを被った姿が、彼によく似合っていて。

モデルか、なんか?

そう思うほどに、完璧な容姿。

紫の瞳が、妖しい輝きを放っている―――。







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