第39章 コンビニエントフォーミー2
逃げ込んだ自室で、膝を抱えた
「フッ…っ…」
口元を抑えて体を震わせる。
なんで泣いているのか、分からない。
ただ、ボロッボロこぼれ落ちる涙が止まらない
瞬きの度に、二粒の水滴がはじけ落ちる。
「ンだよ…これ…っく…」
内蔵を抉られるみたいに辛い
自分の体の半分を引き裂かれたような感覚。
それを嘲笑うかのように萎えることのない体の中心
散々泣いた後
ドアにもたれたまま、苦しい自身を取り出した
「…っつぁ」
涙で見えてるものが歪む。
「寧々……ハァ…っは」
好きだと言いかけた言葉を飲み込んだ。
名前を呼ぶだけで、手の中のモノがブルりと反応して
ヌチヌチといやらしい音だけが部屋を満たして増していく
閉じきった瞼の向こうに浮かぶ
今まで想像したこともない、女を抱くという行為。
「寧々……クソ…っはぁ、寧々っ…」
妄想の中で乱れる女の名前を何度も呼ぶ
もう片手で口を抑えるけれど、声がこぼれ落ちた
我慢出来なくなって、立襟を噛む
「っふ…く…っ」
ビクビクと背中が反り、白い靴下を履いている足先に力がこもった。
何度かに分けて手の中に滾りを吐き出す
「なんで…こんなコト…してんだ、俺…」
「クソすぎんだろ…」
ズルズルと体をドアに預けて時計を見上げた。
針が示しているのは学校開始の時刻だった。