第27章 ・・・・・嘘
蹲ったままだった私はそのままハルさんに
抱きかかえられていつもハルさんが座っている
一人掛用のソファーに座らされた
目の前にはハルさんがそれを塞ぐように跪いている
そっと私の頬に手を伸ばしたハルさんが
私の涙を親指で拭った
「なぁ・・るぅ・・・教えて?いつもよりきつい口調で話してた事・・・こんな風に1人で辛そうに泣いてる理由。」
目の前のハルさんは有無を言わせない様な雰囲気だった
私はごまかすように答えた
「・・・遅刻・・・するよ。」
そう言ったら、ハルさんが
「そんな事はどうでもいい!!今はるぅの事を話しているだろ!?ちゃんと答えなさい!」
初めて怒った
きっと本気で怒ってはいないだろうけど・・・恐い
ビクッとした私に気がついたハルさんが慌てて落ち着いた
「あぁ、ごめん。ビックリしたか?本当に会社の事は今はいいから。ちゃんと話してくれないか?前にも言っただろ?本人の気持ちは本人にしかわからないって。」
「・・・・・だって・・・・ハルさん・・・嘘ついた・・・・。」
「嘘なんかついてないけど?何の事だ?」
「昨日・・・グスン・・・・残業だって言ってたのに・・・・・うぅうぅ・・・ヒック・・・帰ってきたら・・・・タバコと香水の匂いがした・・・。」
「あぁ・・・嘘じゃないよ。社長に頼まれたんだ。」
「おじさまに?」
「そうだ。会社の秘密を漏らしてる悪い奴がいて、そいつを炙り出すために、作戦を実行したんだ。それが飲み会という席で相手を油断させたから、その時に付いてしまったんだろう。」
「ほんと・・・に・・・?グス・・・・」
「信じられない?」
「・・・・・・だって。」
「確かに・・・昨日の件は社内でも極秘に勧められていた案件でもあるから・・・若干?嘘になるかもしれない。だけど
るぅには嘘はつかないよ。合コンも飲み会も好きじゃない。俺はるぅが居れば良いんだ。」
「・・・・・・。」
「まだ信じてくれないのか?」
「本当に嘘付かない?」
「つきません。」
「嘘ついたら?」
「お酒やめます。」
「・・・・・・・。」
「それでもダメか?」
「・・・・今回だけだよ。」
「ありがとう。お姫様w」