第3章 秘密【上杉謙信】
果てた後も私達は抱き合ったままだった。
「…絶対に離したくない。」
「…私もですよ、謙信さん。」
「この時が止まればいいのにな…。」
寂しい笑顔で笑う謙信さん。
「…止まっていたら、前に進む事なんて出来ませんよ。」
そう。止まっている暇はない。時は残酷にも1日1日流れていく。
いつかは元の世界に戻る時が来るんだろうけど、今はそんな事どうでもいい。
この余韻に浸りたい。
私は静かに微笑むと頬に口付けをした。
「…今日のあの本の事は家臣にも内密にしといてくれ。」
彼は照れながらも苦笑し、私はクスリと笑って頷いた。
そして彼は美しい笑顔で私と深い口付けを交わしたのであった。
〜Fin〜