第29章 キミとおうちで〇〇〇デート【おそ松/デート松】
しばらく廊下で待ってると、おそ松くんが「あーさっぱり」と言いながら、ドアを開ける。
「「あ……」」
目が合って同時に声が出た。
「あー……えっと、シャワー貸してくれてあんがと!」
「うん……」
バスローブ姿のおそ松くん。いつもと違う姿にちょっとドキッとしてしまう。
そして、またバスローブのポケットが不自然に膨らんでいる。
「喉乾いたな〜部屋に戻ろうぜ!」
ゴムの件は、触れる気ないみたい。
私たちは廊下を歩き始めた。
「ねぇねぇ、おそ松くん、低めの声で『泣かないで〜』って歌ってみて」
「やだよ! なんで!?」
「カラ松くんっぽくなるかな〜と思って。高校のとき、体育のプールのあとでカラ松くんがバスローブ着てよく歌ってたから」
「マジで? 体育にバスローブ持参!? カラ松、そんなことしてたの!? 怖ぇー! てか、カラ松ぽく見えるなんて嫌なんだけど! もう脱いでいい!?」
おそ松くんがバスローブの紐に手をかける。私は慌てて止めた。
「だめだめ、ちゃんと着てて! カラ……おそ松くん!」
「お前、わざと言ってんだろ……」
だって、おそ松くんの反応がおもしろいんだもん。
冷房の効いた部屋に戻ると、二人でのんびり冷たいお茶を飲む。
「おそ松くん、じゃあ、そろそろ……」
一息ついたところで、私は立ち上がった。
「そろそろ!?」
おそ松くんが飛び上がる。
「うん」
「え、ええっと、マジで!? まだ、俺、心の準備が……ちょ、ちょっと待って、えーっと……」
ガチガチに緊張する彼。
「うん、おそ松くんはどれ見たい?」
「どれ見たい!? どれって……え……見せてくれるなら全部……」