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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第29章 紫の巻―義元中将-<R18>


そして奪うように、大井より、俺の本当の娘がやってくる。

将来、今の東宮に入内し、最高位の女人となる予言の娘な為、これ以上鄙(ひな)育ちでは困るのだ。

しかるべき身分の女人に育ててもらわねばならぬ。

それには式部卿の宮の娘である舞にはふさわしい。

幼い頃より俺が育て、おんなとしての開花もさせた、俺の最愛の女人である舞。

「私が育てて良いのかしら?」

「当然でしょう、他に誰がいるのです?その娘は将来、今の東宮へ入内し、中宮そして皇后位に昇られるのだから。舞以外に誰が娘を育てあげられるの?」

俺の言に、少し不安がっていた舞は喜び、子を育てられる幸せを噛みしめると共に、明石から奪った娘の重みに気付き、舞は明石に替わって、娘を立派な女人に育てると誓った、と初めて娘に会った時にこの事を決めた、と後で俺は聞いた。

舞と過ごして、どれだけの年月を過ぎたか、数える事もままならぬ。

会うたび艶然と美しく、俺は毎日舞に恋していると言って過言ではない。

それを言うと、舞は照れたように微笑む。

「ありがとうございます、義元様。過分な幸せをいただいて、私、嬉しい」

「嘘じゃない、毎日、舞の魅力を新しく知り、益々舞への愛が深まるんだ」

そんな俺の心からの言葉に、にっこりするものの、時々ふと、真剣に違う何かを追い掛ける瞳をする舞に、一抹の不安が沸き、それは俺の小さな疑問でもあった。

俺が絶対舞を離す事はない、だって、一番愛しているんだもの、舞が俺から離れるなんて許さないに決まっているでしょう?
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