• テキストサイズ

戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第29章 紫の巻―義元中将-<R18>


にこにこと姫君の様子を話す舞に俺は、舞がすっかり母代わりとして世話をするのを喜んでいる事で、己がおとことして姫君に接する事が完全に出来なくなった事に気付く。

『舞にもやられたか。仕方ない、亡き御息所とも姫君には手は出さないと約束したからな…姫君を娘として、俺の秘密の息子へ入内してもらうのが一番だな…』

服喪が明けるのを待ち、準備万端整え、俺は表には出ず、あくまで入内と、世話を、陰から支える人物として、斎宮の姫君の入内を見守った。

不安ながらも姫君は梅壺に参られ、うんと年下の冷泉帝と絵の事で気が合い、なかなかの寵愛を得ていると聞き、俺は姫君へ秘蔵の絵巻き物をいくつか贈った。

そのうち弘徽殿の女御として入内されている、頭の中将の姫君と絵合わせを女人達の中で行い、藤壺女院が審査をされ、俺の梅壺側が勝った。

この勝負の勝敗が、そのまま将来、どちらが中宮になるかを予言し、梅壺の女御は中宮となられたのだった。

六条邸に里帰りされ、中宮として全てを改められて入内される女御に、舞は久し振りに会えると喜んでいた。

「なかなかご身分もあがられて、お目にかかる事もございませんでしょう?それに更にご身分があがられて、亡くなられた御息所様もさぞお喜びになっていらっしゃるでしょうね」

中宮宣下(せんげ)を受け、身分があがるに伴い支度もいろいろ変わる為、舞はここでもいろいろな準備を引き受けて、女御の為に手を尽くしてくれた。

「当たりまえでしょ、私は母代わりですよ?御息所様のようには参りませんかもしれませんが、私が出来る限りの御仕度は致しますわ」

「舞がそう言ってくれるから、俺は安心して全てを任せられるよ。本当に舞は立派に母代わりを務めてくれて、俺は感謝してもしきれないな」

俺が舞に感謝を伝えると、当然でしょ、と言いながらも舞は嬉しそうに頬をほんのり赤くし、そんな姿はこどもの時から変わらず美しいと思わせるのだった。
/ 582ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp