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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)


あつしさんがポケットから手錠を出した。
静かな夜の墓地に金属の擦れる音が響く。

「手を出すんだ」
こんなところで抵抗しても無駄なのはわかっている。
私は素直に両手を差し出した。

「あつしさん、手錠はさすがに! ゆりちゃんは何も悪いことはしてないのに!」
十四松さんが手をあげたまま叫ぶ。

「悪いことをしていない? 犯人を匿うのは立派な犯人蔵匿罪だよね?」

あつしさんの言うとおりだ。
今の時点ではこれは『悪いこと』

手錠が両手にはめられる。
ガチャリと重い音が耳を貫いた。
 
「さてと、トド松くんがどこにいるのかまわりを――」

「待ってください!!」
凛とした声が響く。

墓石の影からトド松先輩が飛び出した。

「おい! トド松くん! だめだ!」
チョロ松警部も慌てて出てくる。

「案外早く見つかったね……」
あつしさんが目を丸くして二人を眺めた。
見つけるのに時間がかかると踏んでいたようだ。

先輩、逃げてほしかったのに。どうして出てきちゃうの!?

「あつしさん、僕ならここにいます。ゆりちゃんを離してください」
トド松先輩があつしさんを睨んだ。

「トド松くんが我々と一緒に来るなら離してもいいよ」
あつしさんは穏やかに微笑む。
こんなときまでスマートだ。


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