• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)


「ゆりちゃん? なんでそんな困った顔してるの?」
不思議そうな顔をする十四松さん。
私がすんなり応じないことに驚いているみたいだ。

「…………」

たしかに十四松さんには想像つかないだろう。
今まで信じて突き進んできた道を私は変えようとしている。

悪松さんが予想したとおり、正義を曲げてでもやり抜きたいことができてしまった。

「ねぇ、ゆりちゃん? トド松さんは?」

「ごめんなさい。トド松先輩は渡せません」

「えっ?」

私は自由な手で腰の銃を抜く。
署を出るときに持ってきたものだ。 
「離してください。どうしても今やらなきゃいけないことがあるんです。時間がないから急いでいます。ここで私とやり合いますか?」

「ゆりちゃん!? 何言ってるの!?」

ハッタリもいいところだ。
こんな時間に銃をぶっ放せば、工場の人たちがみな起きてしまう。
撃つ気なんてまったくない。

それでもここで私は銃を構えなくてはいけなかった。
撃つ覚悟があると十四松さんに見せなくちゃ。

彼に腕を掴まれたまま、安全カバーを外し、銃弾を装填する。
銃口をまっすぐに向けた。

「マジッすか! 片手でなんか撃ったら危ないよ! わかってるよね!?」

「でも本気です。お願いですから、引いてください」

「…………」

十四松さんの額から汗が伝い落ちた。


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp