《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
「はい……後悔しています……」
トド松先輩が苦しそうに目を伏せる。
悪松さんは一人楽しそうに笑った。
「まあいい。俺はこういう自分のために躍起になるクソは応援したくなるんだ。おもしろいからな。いいか、デカパンは研究所を畳んだあとも研究は続けていた。別の場所でな」
「別の場所?」
「自分の仕事場だよ。ブラック工場だ」
ブラック工場……。
トド松先輩が顔を歪める。
デカパン所長を殺したその場所だ。
思い出したくないのかもしれない。
「ブラック工場のどこで研究をしていたんですか?」
悪松さんは薄いファイルをテーブルに置いた。
私たちが来たときから小脇に抱えていたものだ。
「ブラック工場の敷地には墓地がある。過労死した従業員が入るためのものだ……」
ファイルをめくる。
ブラック工場の簡単な見取り図が綴じられていた。
「この墓地の北にプレハブ小屋がある。ここが新しく作ったデカパン研究所だ。この場所はめったに人が来ないから、研究しやすかったんだろう」
見取り図の一番上を指差す悪松さん。
「ここに行けば、何かわかるかもしれないんですね……」
悪松さんは私たちを見回した。
「ああ。ただ、行くなら急いだほうがいい。じつは少し前に警察官が俺のところに来た。同じように研究所について聞いてきた」
「えっ!」
「大丈夫だ。ブラック工場のことは言っていない」
でも、もう捜査の手がここまで?
信じられない。