《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
廃墟の病院か……。
昼間だからまだマシだろうけど、ちょっと怖いよね……。
まさか幽霊が出るとは思わないけど……。
「こんなことなら、おそ松さんに残ってもらえばよかったなあ」
独りごちながら、車に乗り込む。
ナビを確認すると、赤塚記念病院は、本当にすぐ近くだった。
車を5分ほど走らせると、古い病院の建物が見えてくる。
「うわ〜……思っていたより不気味かも……」
私は車を停めた。
4階建ての建物で所々壁は崩れている。
窓ガラスもいくつかは割れ、ボロボロになったカーテンがぶら下がっているのが見えた。
落ちかけている看板を見てみると、確かに『赤塚記念病院』と書かれている。
1年前に一人で洋館の幽霊の捜査に行ったけど、例え幽霊はいなくても、病院の方が数倍嫌だ。
「はぁ……仕方ないか……」
私は溜息をつくと、車から降り、敷地に入った。
これも仕事だから、どうしようもない。
病院の入り口からガラス越しに中を覗いてみると、中は薄暗く、人のいる気配はなかった。
意を決して、ドアを開けると、ギイッと錆びた音が響く。
入った場所は広い空間になっていて、椅子が並んでいた。
床にはゴミや薬の袋、ハサミのような器具まで散乱していてホコリまみれ。
私はそうっと奥に見えるカウンターまで歩いた。
破れかけた貼り紙が目に入る。
『番号順に診察室にお呼び致しますのでかけてお待ちください』
どうやら、ここは待合室のようだ。