第75章 HIDE AND SEEK（影山飛雄）

『手伝う、よ』

ネットを運ぶ影山くんに声をかけると

「おぅ、サンキュ」

相変わらずのぶっきらぼうな返事
中学の時聞いたときより
少しだけ声が低くなった気がする

再会した時は複雑だったけど
やっぱり近くに居られるのは
嬉しいな…
でも…

『影山くん…あの…』

彼女（あのこ）は？
やっぱり一緒に烏野に通ってるのかな？

「おい、そっち
もっとシッカリ持て
怪我するぞ」

『は、はい…』

私の質問は相変わらず
伝えられないまま
片付けも終わり

「布施ちゃん
大丈夫か？
家、どの辺だ？
俺が送ってやろうか？」

「清水も遅くなったし
送っていこう、な？菅」

私と潔子さんの周りに
先輩達が集まって来た

『大丈夫ですよ
そこまで遠くないですし…』

「私も大丈夫。
走って帰るから」

「いやでも
何かあったら大変だし…」

「そうだぞ、清水
遠慮するな」

紳士なのか心配性なのか
中々引き下がらない
澤村さん達