第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
そう頭で処理しようと思っても
中々心がゴネて納得してくれない
何か言いかけた国見の声を
遮ってその場から離れる
影山くんに聞いてみよう。
もしかしたら金田一くんの
見間違いかも知れないじゃない。
今までウダウダ躊躇してたのが
ウソみたいに
私の足は影山くんが
歩いていった方へ向かう
確かいつもこの先で
休憩してる
体育館の裏手に
ソッと近付き
物陰から覗くと…
「ねぇ、飛雄~
何時に終わるの?
今日はデート出来るって言ったじゃん」
「だから家で待ってろって
言っただろ」
影山くんに
二組の女子が戯れついてるのが
目に入った
「早くイチャイチャしたいんだもん!
ねぇ、ココで…シタい…」
え、うそ…ココでって…
後退りするより早く
彼女は影山くんの膝に跨り
「飛雄…大好き」
頭を抱き締めた
「こら…止まらなくなる…」
「いーよ?」
「知らねぇからな」
慌てて身体を翻し
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