第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
グラスを持ち上げ
氷をたっぷり入れた麦茶を持って戻り
「とりあえず話せ
飯代分くらいは聞いてやる」
また俺の前に腰を下ろす
奢るなんて言ってないけど…と
ツッコミたい気持ちを抑えて
「うん。
実は…さ…」
ここ最近の俺と姫凪の
様子を岩ちゃんに話す
話してるだけで悔しくて
改めて空っぽになってしまった
トナリが悲しくて
「なんで…こんな事に
なっちゃったんだろ…
姫凪は俺より
菅原クンを選んだって事かな…」
弱音ばかりが吐き出される
”そんな事あるか”とか
”自信持て”とか
そういう言葉を期待してた
嘘でも励ましてくれると思ってた
…けど。
「んなもん、当たり前だろ
お前が悪いから
フラれたんだべや」
甘かった。
トゲしかない
針の筵の様な言葉
「再起不能にしたいのかな…
ご飯代分くらいは
優しい言葉かけてくれても
良いじゃんか
岩ちゃんのバーカバーカ」