第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
そんな二人が今はどう?
「はぁ!?
なんで早く言わないのさ!
熱は?お腹は?
病院行く!?」
『…要らない
寝てたら治るよ』
素直になれない
「…添い寝してって
誘ってる?
てゆっか、心配で離れたくないから
今日は姫凪の所泊まる~…ダメ?」
『…移るよ、バカ
ゴメン、今日はダメ
あのさ…今週の日曜…
どっか行かない?
部活昼までなんでしょ?』
素直に聞けない
「…あぁ、ごめん。
日曜はアレ…そうそう!
金田一と用事があるんだよ!
でも月曜は部休日だからさ!
放課後いくらでも!」
ホントの事
教えて貰えないなんて
『…そっか。
金田一くんと、ね
分かった!ごめんね』
なんて辛いんだろう
「姫凪?
どうしたの?
目ウルウルしてる
そんなに辛いなら
マジで病院に…」
『平気!でも今日は一人で帰るね!
また月曜ね、バイバイ!』
徹に背を向けて走り去る
素直に聞けない
素直になれない