第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
言い訳やら
ご機嫌取りやら
したいことは
山ほどあるけど
それをグッと抑え込み
「姫凪、俺が解くから
貸してごらん?」
モタモタとコードを弄る
姫凪からソレを奪うと
『…大丈夫!
徹は猛を手伝って!』
俺の手から
また奪い返して
コードの引き合いになる
「姫凪、不器用じゃん
俺の方が早く直せる!」
『そんな事ないもん!
…あ!引っ張ったら
残りのコードも絡まって
袋から出ちゃうじゃない!』
「姫凪が離せば
出て来ないよ!」
『徹が離してよー!』
グイグイ引き合う内に
どんどん長く出て来るコードが
「ちょっと、姫凪
一回止まって…」
姫凪の身体に絡まっていく
止めなきゃと思った頃には
『なんで?
そんな事言って
コード取る気でしょー…』
「違う、姫凪に
ドンドン絡まってる…」
『え?』
もう遅かった