第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
振り返ると
暗い顔して俺を見上げてる姫凪
『別に何でもない…し』
「いや、顔色悪いじゃん
なんか怒ってる?」
サクラちゃんから離れ
姫凪に近付くと
『全っ然!
ラーメン今日はやっぱり食べない!
用事思い出したから帰る!』
大きく取られた距離
走り去って行く背中
「…え?なに?
俺何かした?」
戸惑いしかなくて
またも意識の外に追いやってしまってた
サクラちゃんが
「…あの子、彼女…?
私、馴れ馴れしかったかな?」
小さく声を上げる
「え?いや、姫凪は
ただの幼馴染
多分俺がヘラヘラしてるの見て
なにやってんだって
なっただけだと思う…けど」
そこまで言った所で
「え?あの子彼女じゃないの!?
良かった!」
急にキラキラするサクラちゃんが
「良かった?」
「だって…私にも
少しは希望アリ…かな?って」
頬を赤くして
俺を見つめてる