第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
だけど勿論の事
『嫌だよ
コンテスト終わるまで禁酒するし
帰って早く寝たいの!
疲れてはいるんだからね~』
私はそれを断っていた
『マッキーも飲み歩くの
程々にしなよー?
今日は先に上がるね
お疲れ様』
食い下がられる前に
切り上げて逃げるのも
手慣れて来てたいたし
光太郎からの電話に
明るく応えるのにも
慣れて来ていた
想定外だったのは
「やぁ、偶然!
ってのはさすがに無理アリ?」
アキラさんの理解不能な
行動力。
『…待ち伏せとか
趣味悪い…
マッキーはまだ店ですよ
飲みたそうにしてたし
誘ったら来るんじゃないですか?』
"お先に"と付け足そうとするより先に
「今日は個人的に誘いに来た
…時間ちょうだい?」
アキラさんの声が
私を引き止める
『個人的な誘いに
私が乗ると思って言ってます?
男の人と関わるとロクな事ないのは
経験済なんで
帰らせて下さい』
「無理やり攫われたい?
怖い思いしたいなら
抵抗しなよ」