第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
膨れる姫凪さんに笑いかけ
「ユックリ入ってると
また歯止め効かなくなるんで
シャワー浴びて出ましょうか」
まだ少しフラつく姫凪さんを
バスルームにエスコートした
泡をイッパイに立てて
お互いの身体を包み
欲を落としていく
髪の毛も綺麗に荒いあげ
お揃いの香りに包まれると
落としたはずの欲が
また少し膨らむのが分かる
『さっきの約束忘れたのかな?
京治くん?』
「分かってます、我慢します。
そんな顔で見ないでクダサイ…」
『冗談だよ
私も同じ気持ちだよ
でも、後でね!
メインディッシュは
取っておこう、ね!』
今度は姫凪さんが
膨れる俺に笑いかけ
バスルームから出る
ギリギリ外も歩ける程度に
くたびれた部屋着を着て
まだ日の高い街を
手を繋いで歩く
深夜なら何度か部屋着で
出歩く事もあったけど
こんな時間に
この格好はカナリレアだし
周りを行く人達が
少し怪訝な顔して通り過ぎて行くのも
少し気恥ずかしい