第73章 ♑瞳を閉じても②（赤葦京治）完結

「え、おい…待て
俺も……」

「空気読んで夜景でも見て
帰ってきて下さい
それに…
安全運転出来る自信ないですから」

「待て！それお前が事故るやつだろ！」

「大丈夫ですよ
誤解解けるまで死にませんから」

「そういう問題か！
お前になんかあったら
姫凪が泣くどころじゃねぇじゃん！
俺の安全運転で…」

「そっちの方が危ないんで
辞退します
…なんて、ね。
大丈夫ですよ
姫凪さんを泣かせるのは
もう十分なんで。
笑わせに行ってきますから
俺のワガママ聞いて下さい」

そう言って車に乗り込み
来た道を引き返す

半分程戻った所で
フと頭に浮かんだ不安

もし、姫凪さんが
家で寝ているとして
どうやって入れば良い？

インターホンを鳴らして
出て来てくれたら問題ないが
出て来てくれなかったら？

この前返してしまった鍵を存在を
激しく悔やむ

悔やんでる間にも
ドンドン近くなる
姫凪さんの部屋