第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
だけど
「なんだ、知らなかったのか?」
「うるさいですよ…
もう、十分聞きました
いますぐ消えて下さい
トバッチリで痛い思いしたくないなら」
笑えないです
もし、最悪の想像が当たってたとしたら
俺は貴女を
貴女達を
許せるとは思えない
「…怖っ。
はぁ…まだガキだな、キミは
もっと大人になんないと
あの子に釣り合わないんじゃ…」
「…アナタには関係ない
急ぎますから」
「おい、赤葦くん!」
「…」
引き止める声を無視して
姫凪さんの店の前へ
中には声を掛けず
外から姫凪さんが
働く姿を見つめる
身体の動きが悪いな
疲れているみたいだ
仕事に?
それとも…木兎さんと…
そこまで考えた所で
店のドアの開く音と
聞き慣れた足音
「お疲れ様です、姫凪さん」
振り返ると
カバンを抱えた姫凪さんが
俺を見上げて立っていた
『うん、ありがと
帰ろっか?
あ、買い物して帰る?』