第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
その声に慌てて目を合わせると
掴めない笑みを浮かべて
俺を見てるアキラさん
こういう食えないタイプの
挑発に乗っちゃだめだ
そんなのクソネコとの
対戦で嫌って言うほど分かってたのに
「まだ姫凪さんに
付き纏う気ですか?
しつこいオトコはモテませんよ?
出しゃばりも程々にしないと
要らぬ怪我が増えるって
脳に刻みましょうか?」
なに熱くなってるんだよ。
俺の知らない
昨日の夜の姫凪さんを
この人が知ってると思ったら
イライラしかしないし
不愉快極まりないんですよ、本当に。
だから突き放して
サッサと店へ迎えに行きたかったのに
「心配するなよ
姫凪ちゃんに言う事なんかない
俺が言う相手は…
キミだよ、赤葦くん」
足は完全に止められた
「俺に、アナタが?
なんの用があるんです?」
「老婆心だよ。
あんまり元彼を
信用し過ぎるのも
どうかな?って思ってさ」
この人は
何を言ってるんだろう