第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
『…寝てるよ
私も寝るから光太郎もチャント寝なさいよ』
この声が心地よいから
何か寂しいのは
〈寝てるならチョットだけ付き合えよ!
マジ秒で…イヤ、分で切るから!
本気で今日は何か寂しいンだ…〉
私も…だから。
だけど
『…嫌よ。
眠いんだもん…!
光太郎のチョットは
長電話って決まってるんだから
じゃあね、遊びに出ないで
寝なさいよ?
オヤスミ!』
甘えちゃイケナイよね?
必死に明るく振る舞って
電話を切って毛布に包まる
また光るディスプレイ
今度は着信じゃなくて
LINEだった
[声がダメなら
寝るまでLINEしよ?
未読になったら俺も寝る]
だから…甘えて来ないで
甘やかさないで
弱音を吐きたくなるから
[バカじゃない
飲んで寝ちゃえば良いのに]
[何か眠れない
お前が泣いてそうで]
[そんなわけないでしょ?
さっきもラブラブだったのよ
それで眠くて仕方ないの!]
誤魔化されてよ
お願いよ、光太郎。