第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
長風呂好きなのは分かってるけど
あまりにも時間が掛かってるような…
「姫凪さん?
そろそろ上がりませんか?
…姫凪、さん!?」
ソロリとバスルームのドアを開けると
底には湯船に浸かったまま
グッタリしてる姫凪さんが
目に入った
「姫凪さん!
大丈夫ですか?
シッカリしてください!」
湯船から引き上げ
熱くなりすぎた身体に
脱衣所で冷ます
『…ごめん…京治…』
「湯船で寝ちゃう程
疲れてたなら言わないと…
お水持って来ますから
少しこのまま待てますか?」
壁に寄り掛からせ
水滴を拭き取りながら
バスタオルを羽織らせる
『…嫌だ…行かないで…』
「え?」
『一緒にリビングに行くから
一人で行かないで…』
俺にしがみつき
まだ濡れた肌を
擦り付ける様に
甘えてくる姫凪さん
「それは、もちろん良いですけど…
どうしたんです?」
甘えられるのは嫌な気はしないし
甘える姫凪さんは
とても可愛い