第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
話し掛けて来た宮侑の横にチョコンと居る
女の子に目をやり
「木兎さんに捕まらないうちに
帰れよ?
練習ない日の方が
力持て余して動きが早いからな」
姫凪さんに逢いたい気持ちが
加速して行くのを感じて
背を向ける
まぁ姫凪さんは
まだ仕事中だから
どこかで時間潰さないと
駄目なんだけど…
さて、どこに行くか…。
喫茶店、ネットカフェ…
姫凪さんの店の近くの
一人でも無理なく過ごせそうな所を
検索していると
「赤葦くん!
最近よく会うね!」
前から小洒落た髪型した
あの人が手を上げて
近付いて来る
「…俺的には
全くもって会いたくないんですが…」
「ひどいな!
俺もキミより姫凪ちゃんに
会いたいんだよ!」
「は?それはどういった意味合いで?」
駄目だ駄目だ。
冷静にならないと。
言い聞かせるより早く
「姫凪ちゃんって
構いたくなるよね
真面目で頑張り屋さんで
そのくせ雰囲気とかエッチでさ
マジでタイプなんだけど…」
アキラさんの煽りが飛んでくる