第72章 ♑瞳を閉じても（赤葦京治）

痛い所を突かれて
ムッとするも
なんとか冷静に返して

［甘いうちに帰って来て下さいね？
ヤキモチ妬きすぎたら
激辛になりますよ］

とか、ちょっと戯けたメッセージを
作って送信

本当は宮侑の言う通り
男が居たら、とか
徹夜明けで飲まされて
潰れちゃったら、とか
考えない事もないけど
"行くな"と言えない以上
考えても仕方ない。

［なるべく早く帰るから
激甘でヨロシク！］

いつも通りの返信を
確認して心の穏やかさを保つ俺に

「あかーしって
損な性格って言われへん？
嫌なら嫌って言わなアカンで
世の中に絶対とかないねんで？
今日行った事で
姫凪ちゃんの心を持って行く
グッドルッキングガイが
現れてしまうかも知らんやんけ」

身も蓋もない発言連発の宮侑
損な性格…そうかも知れない
姫凪さんの前で
カッコつけたいとか
物分りよく居たいとか
それでやらかしたって思う事も
あるのも事実だ
今だって言うに言えなくて
少し凹んでたのアッサリ見破られて
結構恥ずかしい