第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
私がウーロン茶って言ったのは
飲みやすいから
サクッと空にして帰れるからなのに
『じゃあ…ノンアルのお任せで…』
私のおバカ。
「りょーかい
本当はカシスソーダ辺りを
作らせたかったけど
ノンアルコールなら
…プッシーキャットとか、かな
甘いの大丈夫?」
『…はい、でも
本当これ一杯で…』
もっとチャント言わないとダメなのに
「良かった
グレナデンシロップの色って
キレイだよね~
姫凪ちゃんに似合う気がする」
爽やかな笑顔が声の邪魔をする
わざわざ断り入れなくても
サッサと帰れば良いよね
別に今後会うわけじゃなし
感じ悪くても
関係ない…か。
無理やり自分を納得させて
相変わらず手の早そうな
会話を繰り広げる
美容師先生にを返し
大人しく飲み物を待つ
出て来たノンアルカクテルは
ヤッパリ私には少し甘くて
飲むほどに喉が乾く
かと言ってココで
ソフトドリンク追加しても
飲む物が増えるだけだし…
我慢我慢。