第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
このまま可愛さを
堪能したい気もするけど
『…そう思う?
私が京治以外の男の人に
興味わくって本気で思うの?』
もっともっと見たいの
「…と、言うと?」
『治くんは研磨と毛色が似てるから
甘やかしたくなりがちだけどさ
それは弟みたいってだけで
興味があるって言ったのは…
京治の大学での様子とか
聞けるかな?って思って…
これは光太郎も研磨も知らないじゃん?』
キミが心から笑って
嬉しそうに話す姿を。
「はい?俺の事?
別に取り立てて目立った事は
してませんよ?
バレーは毎日してますけど…」
照れたように頬をかき
顔を私の髪の毛に埋める京治
『女の子に告られたりは?』
今度は私が拗ねた口調で
頭を撫でると
「姫凪さんが思う程
モテませんよ?
周りにはスペック盛過ぎな
宮達も居ますし…」
クスクス笑いながら
更に私の肌に甘える京治が
『それはウソ!
京治が気付いてないだけで
番号とかLINEのIDは
貰ってるでしょー…』
「渡されてもその場で断りますよ
そのせいで俺の携帯は
ムサイ男達の番号と家族だけですよ」
携帯に手を伸ばして
ロックを解除する