第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「そんな事ないって!
ただチョットした独占欲?的な?!
私の治くんやもーん、みたいな?
姫凪もあるやろ?そう言うの!
私の侑~!みたいな?」
ションボリする姫凪の頬を
ムニムニと抓って
「治くんに私のお弁当
褒めてほしいだけやから
姫凪はなーんも気にせんでエエよ!
な?動物園楽しもう!」
無駄に明るく笑いかける
『サクラがそういうんやったら
ええんやけど…
せやな!チケット無駄にするんも
勿体無いし
楽しまな損やんな!』
私の無理に合わせてくれたのか
姫凪もやっと笑顔を見せて
二人で別々にお弁当を作り始めた
「そっち今日は和風なん?」
『おん、侑が出汁巻きとかが
ええって言うから…
サクラは…メッチャ肉やな…』