第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
頬を染めながら幸せそうに話す
姫凪の首筋には赤い痕
「もしかして…それ…」
『あ!絆創膏貼るん忘れた!
お母さんにはまだ内緒な!!』
慌てながらも
楽しそうに笑う姫凪を見て
ホンマやったら私も浮かれて
話せるはずやのに
「とりあえずトイレ
行かせて欲しいねんけどー!
後でユックリ聞くから、な?」
『おんっ!
あ、私もご飯の用意せな!
今日は何しよっか?』
「赤飯?」
『きゃー!止めてや!
サクラのエッチ!』
なんやろ胸がザワザワしてる
姫凪と侑くんが付き合った事に
文句なんか一個もない
むしろ幸せそうに笑う姫凪が
こんなに早く見られて
ホッとしてる
でも…
「侑くん、治くんにも
話すやんな?
付き合った事…」
気に掛かるこの一点。