第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
角名くんに教科書を貸して
治くんの待つ
部室に戻る為に歩く廊下
ほんの少しの一人の時間
グチャグチャに絡まった
頭の中を整理しようと
深呼吸を繰り返す
落ち着かな…
そう思えば思うほど
変わり過ぎた状況が
頭の上に重くのしかかってくる
昨日…治くんに愛されて
家路に着くまで
私は幸せのど真ん中に居って…
どんな顔して姫凪に会おうか
とか、考えるのすら
幸せに感じる程
浮かれてた
せやのに家に帰ると
『サクラ!!
ど、どないしょ!
わ、わ、私…侑に告られた…!』
私より浮かれた姫凪が居った
「ん?え?なん??
侑って…侑くん!?」
『そやねん!!
ビックリするやろ!?
侑のくせに
なんかメッチャカッコイイ感じで…』