第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③(宮侑、宮治)
角名の態度にハテナは浮かぶものの
治が何かするとも思わんかったし
あの二人にも、そんな行動力はないと
思い込んでた俺は
詳しく話を聞く事もなく
そのまま背中を見送り
家まで早足で帰った
「ただいまー」
玄関を開けると小さいローファーは
二つに増えてて
美味そうな匂いがしてる
キッチンを覗くと
洗い物をしてる背中が一つ
疑う事なくその背中は
サクラだと思って
「ただいまー…言うてんやけど?
オカエリ言うてくれへんの…
ツレナクすんなや…サクラ」
ソッと背中にジャレついた