第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
「いや、俺が気付かなアカンかったんです
スンマセン…
俺が連れて帰るんで
北さん練習してて下さい
余裕あったらまたもどりますさかい」
北さんの声に侑くんが応えて
「サクラ、姫凪、来てくれ」
私と姫凪を手招く
言われるままに体育館の外に出ると
治くんがジャージのまま蹲ってて
その横に顧問の先生が居る
「宮、車行くぞ。
立てるか?」
「…は、い…スンマセン…」
声はかろうじて聞こえるくらい
辛そうで枯れてる
駆け寄りたいけど
私の足はその場で震えてる