第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
『忘れるから
今日のこと全部
せやから、泣かんといてよ』
そうや。
これは悪い夢。
熱でうなされたから見ただけ
沢山の人を巻き込んで
掻き回した悪い子が
神さんにお仕置きされた
それだけ
そう思うから
「優しくすんなや…
そもそも泣いてへん…」
『泣きそうな顔してる
ごめんな?』
治くんは悪ぅないよ?
「…なんでやねん…
お前悪ないやん
寝ろ。まだデコ熱い
そんで…飯、作っていくから食うて
侑のが、美味いかもやけど
食わな元気でーへんぞ
ほな、寝とけよ」
『あ…うん…ありがと…』