第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
少し落ち着き掛けた様に思えた
その刹那
「ウラァ!起きぃ!
いつまでマヌケ顔で寝とんねん!
このチンチクリンの小狸がぁ!」
オデコに走る衝撃
なんや今の!!
『…ッタァ…!
なに、す…んの…って…侑?!』
パチリと目を開けると
「王子やなくて残念やったな!」
頭に響く笑い声を上げて
人のベットの脇に
図々しく座る侑
「なんや?オモロイ顔して。
ヘロヘロやし
どんだけ弱ってんねん」
いつもの小憎たらしい顔に
少しホッとして
『実は…』
甘えそうになって
言葉を喉の奥に落とす