第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
俺の機嫌より悪い空模様が
ポツリポツリと雨粒を
落として来た
「…まじか…どないなっとんねん…!」
「今日は日悪いんちゃうか?
まぁ、気張りや」
バサッと傘を開いて
去っていくオッチャンの
背中を呆然と見送り
待ち合わせ場所がかろうじて見える
木の下へ移動したけど
「ヤバイ雨強なって来てないか?」
それで済まなくなりそうな感じやし
いっその事、サクラを
迎えに行くか?
チラッと時計を覗くと
微妙過ぎる時間
こっち向かってたら
すれ違う可能性大や