The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第24章 Who is me…? -私は…-
______神。
それは、全てにおいて、
絶対的な揺るぎないもの……。
神自身に善悪を区別するための
或いはその"基準"は存在せず、
神そのもの、
神の行動全てが"善"と言われる。
……だが、
それはあまりに無慈悲で、
無愛想で、
不平等だ…。
絶対的な権力を持つ神は
1度人間としての生を持ち、
"物事の善悪"についてや、"社会勉強"を行うのだ。
『____…もう、バレてしまっているんだね,』
蒼い月の光を浴びて、
風もないのに、私の髪がふわりと靡く。
私の頭髪は、
月の蒼を帯びた白銀へと色を変えた。
「……全ての頂点に鎮座する"神"。
____On The God
…それは、全ての頂点に君臨する。」
ボソリとウィリアムが呟く。
『……久しいな。ウィリアム。』
死神は、神の中でも最下層に存在する。
今は人間ではあるが、私の方が位が高い。
「ちょっと待てよ!
毎回毎回、意味わかんねぇんだよ!!」
耐えかねたらしいザックが
不満を言葉にして撒き散らす。
その後すぐに、レイが私の方に歩み寄ってきて、
静かな瞳で私を見上げて…訊ねてきた。
「……悠が、神様…?」
『……ごめんね、レイ。
別に騙すつもりはなかったんだけど…。
言い訳がましく聞こえるかも知れないけど、
私は今まで、ほとんどの記憶を失くしてしまっていた。』
私の声に、
レイはふるふる…と小さく左右に首を振る。