第4章 謎の微笑みを向ける美女は!?
とうとう日曜日が来た。僕は仕事を装い出かけて行った。
いつもの書店の駐車場に車を止めてスイーツから普段着に着替えると七瀬さんの家に向かった。
ピンポーン!玄関のベルを押すと聞きなれた声が聞こえた。
「はーい、ちょっと待っててね」
ガチャッと七瀬さんがドアを開けてくれたので中に入った。
「お邪魔します」
そういえば七瀬さんの家に来たの初めてだな。
中に入ると廊下からすでにいい匂いがした。玄関先の所にいい香りがする瓶に棒が刺してあった。こいうのってフレグランスっていうのかな?
「さて、悠真君は座ってちょうだい。私はお料理作ってくるから」
七瀬さんは笑顔で言った。
「わかった」
七瀬さんがキッチンの方へ消えて料理している間、僕は部屋の隅々を見まわした。
さすがの七瀬さんはインテリアもおしゃれだし、置いてある雑誌さえもインテリアに見えてすごいなって思った。
しばらくして料理が運ばれてくると話しながら食べた。
「アクアパッツァにしたんだけどどうかしら?」
という七瀬さんに驚く僕。
よくこんなおしゃれなの作れるなあって思う。莉子はこんなおしゃれなの作らなそうだけどインスタ効果で作ってくれるのかな?
「なるちゃんって戸籍を女性に変えたらもう女性ってことですよね?」
「ええ、そうよ」
「ってことはオネエタレントのはるな愛さんみたいになるってことですか?」
「そうなるわね」
「なるほど」
七瀬さんは戸籍を女性に変えたら完璧に女性になるんだろうなと思った。
食事を終えて僕も後片付けを手伝った。さすがに食べっぱなしでは申し訳なかったので。
僕がソファーに戻って座った時、七瀬さんが隣に座った。
「なんだか今日の悠真君かっこいいわね」
「そうかな?」
別に普通だけどな。
「この腕時計どこで買ったの?」
七瀬さんは僕が腕にしてる時計のことを聞いた。
どうしよう・・・これは去年の誕生日に莉子からプレゼントされたのだからどこで買ったなんてわからないなあ。どこだっけ?
「えっとネットショッピングだから忘れちゃったなあ。ハハッ」
僕はその場をやり遂げ苦笑いをした。
「そうなんだ。ねえ、今日もあの時見たく素敵なことしない?」
素敵なことってなんだろうと一瞬わからなかった。
でもこれって普通男性から誘うもんじゃない気がするけど。
いや、七瀬さんはもう女性か(笑)
