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【DMC】バージル夢短編集

第14章 過去の遺物


バージルと買い物に出掛けた。
行き先はちょっと大きな量販店。買う物がそれぞれ決まっている私達は、別々に行動していた。

恋人同士なのに一緒に行動しないなんて冷めてる、と思う人もいるかもしれない。
でもそんな初々しい事をするのは最初だけ。今じゃもう、常識の範囲で相手が不愉快に思わない程度に自分勝手に行動している。

バージルもその方がいいみたい。
もともと複数の人といるような性格じゃないし。それに彼は、何より効率の良さを重視する。


まあ、普通にぶらぶら見ながら目当ての物を手に取って。
あれ可愛いなとかこれはないだろとか何に使うのこれとか…口にはしないけど胸中結構独り言多くて。

買い物はすぐに時間が過ぎる。
もうそろそろバージルも終わる頃かな、と頃合いを見計らってレジに向かおうとしたら。

「よう」

「……え、」

元カレに出会った。


最悪。一体どんな運勢の悪さよ。
バージルに見られたらどうすればいいの。

神様を恨みながら、逃げるわけにもいかず話をする。
元気、今何してるの、髪型変えたね、でも性格は変わってない、あれこれあれこれ。

多分バージルも買い物は終わってそろそろ私を捜しに来るだろう。
見つかる前に別れないと。用があるから、とかなんとか言って。


顔を上げてぎくりとした。
バージルが、吹き抜けの空間を挟んで反対側にいた。

バージルは雑多な人の中でも特別綺麗な空気と鮮やかな色をしているからすぐわかる。それが彼も同じでない事を祈りたい。
きょろきょろしている彼は、きっと私を捜してる。
こっちを見ませんように。

せめて、と思い、棚の後ろに隠れた。
元カレは不思議そう。当たり前よね。久しぶりに会ったら何かこそこそしてるんだもん。

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