第4章 お兄様の秘め事
私とローレンお兄様は双子の役になった、本番になるとローレンお兄様は私をリードしながら、ありとあらゆる、トリックという名の失敗したら死亡マシーンを回避していく
演劇のように、セリフ回しはあまりない。私はまだ一言も発してはいなかった
グリフィスト様は植物魔法を駆使し、私とローレンお兄様をアシストしてくださった。
最初、王子にこんなことはさせれないと、戸惑ったものの、結局、私は頼ってしまった
メイフィスも裏方をよくしてくれ、いよいよ、最後の難関に差し掛かる。
百メートル(マンションくらいある)さすがに天才でもなければ、2人分浮かせるのなんて無理、不可能だ
「ローレン、お兄様」
私は堂々と、隣に立つお兄様をみれず、私は下ばかりを眺める。観客達がザワザワとしている。小さくて蟻みたいだ。
落ちる場所は高くて…
「心配すんなよ、義兄が助けてやるから」
義兄さぁぁん!!
なんて、頼もしいのかしら、でも、どうやって?
魔法を使うのかしら。
……それなら、いくらお兄様でも、ハイスペック攻略対象子供ver……無理じゃないかしら
「お前、メイフィスを助けたんだってな、やるじゃねーか」
隣からどこか、……感情の無い……違う、なんだろう、羨むような、何かを含んだ、笑顔があった
「私は助けてなどおりません。私が彼を欲しいと思っただけよ」
私の言葉に、クスリと笑った、ローレンお兄様はバッと私のてをつかんで、飛び降りる
「きゃああああ!!」
いきなりすぎだ。
私は下をみて、絶望する。終わった……と
するとローレンお兄様が半分くらいの50メートルくらいのとき、お姫様だっこという形で私を抱き締めた
ふわりと、浮いた……。
ローレンお兄様の氷属性の浮遊魔法がキラキラと輝く
「もし、お前ともっと早く会えていたら……よかったのかもな」
ローレンお兄様はなんとも、脱け殻のよう、フッと笑った。
いつものような……感情の見えない笑顔ではない
「ローレンお兄…様?」
「ほら、笑えよ。人を楽しませる、それがショーだぞ」
ニパッと笑う、ローレンお兄様はいつものお兄様に戻っていた、その場でゆっくりと着地した私達には、大きな、拍手が送られた