• テキストサイズ

イケメン戦国 ー とおまわり ー

第2章 気づき




いい顔で笑うようになったな


いろは屋までの帰り道。ひいろを送りながら、笑うと眼が無くなるように細くなるその顔を見て、俺はふと考えていた。


ひいろは、まわりに他の者がいる時は、あまり俺としゃべりはしないが、二人きりの時は嘘のようによくしゃべり、よく笑うようになっていた。珍しいことに、俺は、そんなひいろとの時間を、少し待ち遠しく思うようになっていた。


ひいろは、城や武将たちの話を好んで聞いてきた。はじめは珍しさからかと思っていたが、それだけではないことに、すぐに気がついた。


「最後は、家康だな。」


俺のその一言に、ひいろの顔は瞬時に赤く染まっていく。分かりやすい奴だ。
ひいろの足が止まった。家康のことでも思い出したか、頬を染めたまま、話し声まで小さくなっている。


ひいろは、いつも最後に家康のことを聞きたがった。目をキラキラさせ頬に赤みがさすその顔は、家康を思う少女のような顔だった。気付かない方が無理な話だ。




/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp